アロマティック
「天音となにかあった?」
1日の仕事が終わり、帰りの車のなか、みのりは永遠の声で我に返る。
「え?」
暗い車内では、永遠の表情もよく見えない。
「ミネラルウォーター買ってくれたとき、天音と話してたんだろ」
「あぁ……うん、ちょっとね」
みのりはあのときのことを思い返した。
天音と一緒に皆のもとに戻ったとき、皆の探るような視線が一斉にこちらへ向いたのだ。
あのとき感じたのは、天音は自分の意思で動いてるんだろうけど、皆なんとなく、天音のしていることを察しているんじゃないかってこと。
「みのり、端に寄って」
永遠の声を半ば上の空で聞いていたみのりは、永遠に従ってその言葉通りにする。
移動してすぐ、膝の上に温かな重みを感じてふと我に返った。足の上に永遠の頭が、当たり前のように乗っている。長身の体はシートの上に横向きでゆったり伸ばし、長い足はドアにぶつからないようくの字に曲げていた。
あれ?
なんで???
「……で?」
足の上から寛いだ様子の永遠が、頭の向きを変えて顔だけこちらに向けてくる。
「なんだっけ?」
「天音」
「あぁ……」
話しを振られて答えを探すみのりの頭のなかは、違う疑問でいっぱいだった。
これって膝枕だよね?
なんでまたしてるの、わたし。
1日の仕事が終わり、帰りの車のなか、みのりは永遠の声で我に返る。
「え?」
暗い車内では、永遠の表情もよく見えない。
「ミネラルウォーター買ってくれたとき、天音と話してたんだろ」
「あぁ……うん、ちょっとね」
みのりはあのときのことを思い返した。
天音と一緒に皆のもとに戻ったとき、皆の探るような視線が一斉にこちらへ向いたのだ。
あのとき感じたのは、天音は自分の意思で動いてるんだろうけど、皆なんとなく、天音のしていることを察しているんじゃないかってこと。
「みのり、端に寄って」
永遠の声を半ば上の空で聞いていたみのりは、永遠に従ってその言葉通りにする。
移動してすぐ、膝の上に温かな重みを感じてふと我に返った。足の上に永遠の頭が、当たり前のように乗っている。長身の体はシートの上に横向きでゆったり伸ばし、長い足はドアにぶつからないようくの字に曲げていた。
あれ?
なんで???
「……で?」
足の上から寛いだ様子の永遠が、頭の向きを変えて顔だけこちらに向けてくる。
「なんだっけ?」
「天音」
「あぁ……」
話しを振られて答えを探すみのりの頭のなかは、違う疑問でいっぱいだった。
これって膝枕だよね?
なんでまたしてるの、わたし。