百合の花
そう言う弥生を手で制し、「違う」と言ってやる。
「瑠璃の扱い方はそうじゃない」
この場合は、こうするのが一番可愛い瑠璃を見れるんだと弟子に教えてやる。
立ち上がって、瑠璃のそばにいく。
ぼうっと俺を見てきた瑠璃の頭をよしよしと撫でれば、気持ち良さそうに目をつむった。
「ありがと、看護士さん。
瑠璃は俺のお手伝いをしたかったんだよね」
こくんと。
布団に顔を埋めて、小さく頷く。
瑠璃は、俺の役に立ちたかっただけなんだ。
だから自分一人の力で布団を持ってきた。
「…あと、弥生さん、に。泊まってほしかった…」
お、これは予想外。
瑠璃はこうみえても弥生のことは大好きだからな。
頼れるセクハラお姉さんとでも思ってるんだろう。
「だってさ、弥生」
視線をを弥生に向けると、耳まで真っ赤に染まっていた。
「な、なな…反則…」
どんな一流モデルも、瑠璃を前にしたら真っ赤に染まるのだ。