百合の花
しばし、沈黙。
瑠璃ちゃんという萌素材がいないと会話がない。
どうしようかなーなんて思ってたら、ペンの音が止んだ。
「…今日はごめん」
その声と共に。
ぐんと、胸に言葉が突き刺さる。
私は、謝罪の言葉を
「やめてよ」
拒絶するしかなかった。
謝られたら、哀れで。
とっても自分が惨めで。
――惚れた男の女を守るため、私が働くなんてさ。
「私は…自分の意思で受けたんだから。“下請け”を!」
「…」
そ、と。
緑色の瞳に私が映る。
ああいやだ、本当に。
私が惨めすぎる。
だって、映る私に喜びを感じてるなんてさ。