百合の花
最低なことをしているのはわかってる。
けれど、それでも。
俺らは薔薇を守らなくてはならないんだ。
たった一人の少女だけれど。
彼女は皆の宝物なのだから。
「……?」
不思議そうに俺を見てくる彼女。
俺はこの先、どれくらい傷つけるのだろう。
薔薇を守るために、どのくらい。
「…どうかした?」
「ああ、いや、なんでも。行ってくる」
「…」
そう言って、箸を置いた。
瑠璃が訝しげにこちらを見るのも無視して――