恋の味【更新中】
夏のじめじめとした蒸し暑さと、高度の高い太陽にただひたすら焼かれながら、初めて見る、都会にはなかった夕焼けの中に浮かぶ地平線に感嘆した。
オレンジ色に光り輝く海面に惹かれ、私の目は大きく見開かれていた。
「海の香り…」
とだけ呟いて、白雪は頬を夕日色に染めた。
「ねぇ、白雪?きれいでしょ?」
「…うん。すっごく。」
「気に入ってくれた?」
「…うん。すっごく気に入った。」
「良かったぁ」
ほっとしたような、嬉しそうな、そんな顔をした春香を心から可愛いと思った。
この町には、今まで白雪が見てきたものとは違う、田舎だから見れるものがたくさんあって、たくさん、たくさん感動をもらっていた。
毎日、毎日、新しい発見がある。
私は、毎日ドキドキしていた。
新しいことって、ドキドキする。
夏の潮風が、私の長い髪を揺らした。