恋の味【更新中】
まるで、付いてこられるなら付いて来い、みたいに。
なんでだろう。
転校初日にも見た、この背中を無性に追いかけたくなった。
だんだん遠くなる彼の背中を追いかけようと、必死に左足で砂浜を蹴った。
なんだか、世界がキラキラして見えた。
彼が、夏樹が、何を考えているのかもわからないのに。
もっと知りたいと思った。
「…待って…はぁ…はぁ…」
息が乱れ、私の走る後を、口から出る白い息が流れる。
追いつきたい。追いつきたい。
「待ってよ!!!!」
すでに小さくなった背中を見つめながら肩で息をする。