恋の味【更新中】
そして、私の手を痛いくらいに掴み、私を椅子から立ち上がらせ、扉の方へと一直線に走る。
「え?!?!夏樹?!?!」
教室から廊下に出るときに、春香と優里がちらっと見えた。
2人共、驚いた顔をして固まっていた。
何が何だからわからなくて、ドギマギしていた。
夏樹に無理やり体を引っ張られて、足がもつれる。
体が、軽い。
風が心地よく通り過ぎていく。
「こらー!!海野!!!どこ行く気だ?!」
先生の声すら、白雪の耳にはあまり聞こえていなかった。
それほどまでに、白雪は、夏樹に、現実に、夢中になっていたのだ。