恋の味【更新中】
全力で走っているため、ランドセルが上下左右に揺れて中に入っている筆箱やらがガシャガシャと音を立てる。
ーガラガラ
「おは…よ……う………」
大きな声と笑顔で教室に入ろうとしたが、ある光景を目にして、白雪の表情は一変して凍りついた。
窓側の後ろの一角の席が乱れ、夏樹が拳を握り締めて、その真下に座り込む誰かを見下ろしていた。
夏樹が怒っている。
どうして?
なんで?
その状況をうまく飲み込めず、動揺を隠しきれなかった。