恋の味【更新中】


黙って険しい表情を未だ保っていたが、くるりと体を後ろに回転させて教室から出て行く。



せっかく近づいたのに。

結局私は夏樹のことを何もわかっていなかった?

いや、そんなはずはない。

あの、心が通じあった、閃光のような感覚。




私は遠くなっていく彼の背中を見つめて涙が溢れていた。


左足は無意識に床を蹴っていて、夏樹を必死で追いかけようとした。

…が。

誰かが私の腕を掴む。


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