恋の味【更新中】
「夏樹いぃぃ」
名前を呼んでも彼には届かない。
その腕を振り払って白雪は走り出す。
後から知ったこと。
白雪の手を掴んでいたのは優里だった。
…なんで止めの?
…私たちを、引き離したいの?
やめて…やめてよ…
気が付くと彼の背中はほんの3、4mの所まで迫っていて、それでも白雪は必死で追いかけた。
「待って…待って夏樹…はぁっ」
息が切れる。
昔よく訪れていた海の砂浜に立つ。
夏樹の足がぴたっと止まり、体をこちらに向けて、
「お前だって向こう側の人間だろ?!
俺が全部悪いって思っただろ?…少なく
くとも、そういう目だった」