恋の味【更新中】


なんていう会話をしながら、海に背を向け、砂浜を歩いて道路の方へ歩く。



ーそして、このたった1、2秒の瞬間に起 こった出来事が私たちの運命を狂わせることになる。


道路に出るためにはちょっとした緩い坂を登らなくてはならない。


普段からやんちゃ過ぎるくらいに 活発でハツラツとしている夏樹は一度私の手を離し、坂を駆け上がる。


白雪もその姿に見惚れて、彼を追いかけようと右足を踏み出そうとした。


…が、その足は踏み出す事をやめ、行き場のなくなった足をそっと地面に付けた。

やめたのではない。

とめられたのだ。


白雪はパニックに陥った。




……え?え?

…嫌だ…嫌だ……嫌だ


目に映る全ての世界がスローモーションのように見えた。

夏樹の腕を思い切り引っ張ってこちらへ引き戻したいが、いくら手を伸ばしても届くはずはない。



神様はなんて意地悪なんだろう。
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