恋の味【更新中】
体は別にどうってことない。
私、何で病院にいるんだっけ。
いくら考えても頭の痛みが酷くなるだけで何も思い出せなかった。
握られている手の人差し指をそっと揺らしてみた。
すると、春香が
「ん…」
と声を漏らしてから細く目を開き、私の方を見た。
そして、その寝起きの薄い瞳がみるみるうちに大きくなっていく。
「白雪?!?!」
春香は、何度も良かったと言って私の髪の毛をつんつんと引っ張る。
「白雪?あのね、なっちゃん、きっと大丈 夫だよ。息はあるから」
と真剣な目をして私を見つめる春香に、何と言っていいのかわからず、
「…そっ、…かぁ」
と答えた。