恋の味【更新中】
だけど、英語の時間になるとよく机からルーズリーフを数枚引っ張り出してそれに日本地図を書く。
そして、幼い頃に残る『あの町』の位置を赤のボールペンでグリグリと塗りつぶした。
度々、揺れるカーテンの奥の夕日に目を細め、溜め息をつく。
今日もそうしていつも通りの1日を終えようとしていたのだが。
ートントン
机の端を指で強く叩く音がして、その指の主の方を見る。
隣の席の…何君だっけ?
隣同士で座っているのに、まだ一言も話したことがなかった。
すると、ポンッとなにやら折りたたまれた小さな紙を私の机の上に投げてきたのだ。