恋の味【更新中】
『いやぁぁぁぁぁ』
覚えてるよ、白雪の悲鳴。
ごめん、何もできなくて。
だけど今話しかけたところで不審に思われるだけで、むしろ夏樹のことを覚えていないという事実を突きつけられるだけ。
ー…俺は、弱い。
また逃げるのか。
そうだ、逃げるんだ。
こんな自分が情けなくなる。
なんでここまで追いかけてきたのか。
自分を問いただしても、今はまだ白雪の記憶には触れる事ができないという結論しか出てこない。
なぁ、白雪。
俺は弱いんだ。
ごめん。ごめん。
だけど、白雪に少しでも手が届くなら。
その時は…。