君の前で涙を流す。
「今日は、クリスマスだからケーキを持ってきたよ。」
苦しさを紛らわす為にケーキを見せた。
「…………ありがとう。」
苦笑いをした美咲。
「あ……。ごめん……。」
俺は、下を向いた。
そうだ、美咲には“クリスマス”って言葉は禁句だった。
「ううん……っ、ケーキ……食べよ?」
心なしか、苦しそうに笑う美咲。
「っ、うん……」
俺は、ショートケーキを買ってきた紙皿に乗せた。
そして、スプーンを渡す。
「……フォークが良いな。」
俺は、フォークを渡した。