白雪さんと7人の兄弟
「入っておいでよ。」

玲が大きな声でそう言うと、閉ざされていた礼拝堂の扉がギィィ…と音を立てて開く。

入ってきたのは、そう。
天星園の、私の大切な妹達だった。

「…お姉ちゃん!!」

小梅が泣きながら、走ってくる。
梨桜も、蓮も、珠洲も。後を追うようにこっちに来る。
紅音ちゃんと胡桃は、それを遠くから見つめていた。

「お姉ちゃん、行っちゃうの?」

「僕たち、もうお姉ちゃんに会えないの?」

珠洲と蓮がそう聞いてくる。

私は無言で頷くことしか出来ない。

「…小梅は、大丈夫だもん。お姉ちゃんがいなくても、大丈夫だもん…。」

「…うん、小梅はいい子。」

「梨桜達が止めたって意味ないこと分かってるから…梨桜は止めないよ。元気でね、お姉ちゃん。」

「梨桜…。」

そして、紅音ちゃんと胡桃が靴を鳴らしながらこちらに来た。

「妃奈姉、」「妃奈お姉ちゃん。」

「「大好き。」」

「…永遠の別れってことじゃないから。また、遊びに来てよね。」

「昨日のこと、分かってるよ。…わたし、頑張るから。妃奈お姉ちゃんみたいに。」

涙で視界が霞む。


さようなら、私のもう一つの家族。
私の大切な、妹達。

どうかこの子達にも、幸せが訪れますように。
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