白雪さんと7人の兄弟
駅から新幹線に乗り込むと、睡魔が急に襲いかかってきた。寝てもいいのよ、という小鳥さんの声を聞き瞼を閉じる。確かここから東京までは、40分と少し…そこから、渋谷まではー…
計算しているうちに、私の意識は沈んだ。
「ーーーきて、…ぉ、きて、起きて、妃奈!」
「ふぁいっ!?」
小鳥さんの声で私は目覚める。
焦りながら小鳥さんの方を向くと、小鳥さんはクスクス笑いながら私を見ていた。
「そんなにビックリしないで頂戴!さ、ここからは次男が車で連れてってくれるわ。」
「は、はぁ…。」
突然、次男のー…えっと、竜次さんと会うことになってしまった。
緊張は割とほぐれたとはいえ、それはまだ会っていないから言えるだけ。
小鳥さんは竜次さんと連絡を取ってあるらしく、あと10分ほどで来るらしい。
私、変な格好じゃないよね。
髪とか、メイクとか、おかしくなってないよね。
時間が経つにつれ、じわじわと挙動不審になる。
「変じゃないわよ、妃奈。」
「ち、ちがっ…別にそんなんじゃないですってばぁ…!」
そう否定しても、小鳥さんはクスリと笑って「顔真っ赤よ」と返した。
ぺちり、と頬を手で叩くと、熱があるみたいに熱かった。