白雪さんと7人の兄弟

車の中では、私のこれからの学校についてが主な話題だった。

「で、妃奈は何処に通わせるつもりなの?」

「紘夢や伊月達と同じよ。私、娘にあの高校の制服を着せたいってずっと思ってたの。妃奈なら絶対似合うと思うわ!」

「あー、まぁ制服は可愛いと思うけどね。手続きは終わってる?」

「もちろん!」

どうやら小鳥さんは私の知らないところで手を回していたらしく、話を聞いてみると部屋も学校の制服も何もかも準備済みだそう。何から何まで申し訳なく思う。

「今日は誰が家にいるの?」

「俺と紫苑と伊月と虹。サク兄はともかくとして、…真澄は仕事だから少し遅れるって。紘夢は何処行ったか分からない。」

「紘夢は…もう。」

小鳥さんと竜次さんが大きくため息をついた。
確か紘夢さんって、私と同い年で、学校も同じで…。2人にため息をつかれる人かぁ、と頭の中で想像図を浮かべる。優しい人だといいんだけどなぁ。
揺れる車の中で、一人杞憂する。
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