白雪さんと7人の兄弟
階段を上りきり、二階の一番奥の部屋を勢いよくノックする。

「リセ!まだ寝てるの!?」

反応はない。

「ねえってば!リセ!」

私の声は虚しく消える。

「リーーーーセーーー!?」

ついに私の堪忍袋の緒が切れた。私は職員さんから預かっているマスターキーで、「リセ」というボードの掛かった部屋の鍵を開ける。
当の本人はぐうぐうと気持ちよさそうに夢の中。
どう起こしてやろうか、と私は悪い笑みを浮かべる。
私はリセの掛け布団の端を持って、勢いよくめくり上げた。リセは突然のことに頭が追いつかないらしく、猫のように丸まった。
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