こうべ物語



「涼子さん、雨の日に傘が無かったから一緒に入ったりする事、私だってありますよ。」



「でも…。」



「だって、彼氏、学年一モテるのでしょ?」



「うん…。」



「その彼女なんでしょ?」



「うん…。」



「じゃあ、涼子さんもいちいち気にせずに、私は彼女です!ってしっかりしていればいいと思うけどなぁ…。」



「でも…。」



「もう、涼子さん!」



さくらが少し声を荒げた。



「涼子さんがしっかりしないから、駄目なんじゃないのですか?」



「私だって…。」



目に涙が溢れる。



「私だって…。」



怒りが込み上げてくる。


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