こうべ物語
「プレゼントだよ。」
「プレセント…、誰の?」
「涼子のだよ。」
「わ、たし?」
目元の涙を拭き、ジュースをストローで吸い上げて心を落ち着かせる。
「来週、涼子誕生日だろ?」
「うん。」
「誕生日プレゼントを探していたんだよ。」
「私の誕生日、プレゼント…。」
「何がいいかと考えてながら色んな所行って、涼子が喜びそうな物見て回ってた。」
「ずっと、前から…?」
「ああ。」
「そんな…。」
「サプライズにする為に、ライブの練習って嘘ついてた。でも、やっぱり会えないのは辛いから、練習の合間とか言いながら、会えるようにしていた。例え数分でも涼子の顔を見て話をする事が俺にとっての幸せだから。」
涙が再び溢れだす。