こうべ物語
「私は、どうしたら…。」
「麻里奈ちゃんは、麻里奈ちゃんの人生がある。自分で切り開いて行けばいいと思うよ。」
「七海、君は、これから…。」
涙を拭きながら顔を上げて七海を見つめる。
話し始めてからずっと変わらない優しい笑顔のまま。
「僕は、大学卒業までは近くにいるよ。大丈夫。麻里奈ちゃんにとって相応しい男になったら、必ず帰って来るから。」
「…ほんとに?」
「うん、約束するよ。」
「絶対だよ。」
お互い見つめ合う。
顔の距離が近くなる。
「七海君…。」
「麻里奈ちゃん…。」
「愛してる、ずっと愛してる。」
「僕もだよ…。」
麻里奈は自然と目を閉じ、そっと唇を重ね合わせた。
《お嬢様と貧乏学生の恋 麻里奈×七海 終わり》