こうべ物語

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神戸の中心繁華街、三宮から北野坂を上り、徒歩15分ほどで到着する北野異人館街。


山の裾に連なる古き良き洋館が立ち並ぶ、神戸有数の観光スポットの一つ。


興味深く異人館の一つに入っていく日本人観光客、カフェで写真を眺めながら喫茶をしている外国人観光客。


赤レンガ造りの洋館や白壁の洋館がその全てを夢の世界へいざなうような雰囲気を出している。


その異人館街の中心にある赤レンガの建物。


風見鶏の館。


その傍で、誠也と涼子は並んで立っていた。



「誠也は高校卒業したらどうするの？」



「大学受験はするけど、実は俺には夢があるんだ。」



「夢？」



「ああ。」



チラリと涼子を横目で見る。



「聞いてくれるかい？」



「もちろん。」



「笑わない、か？」



「笑わないよ、どうしたの？」



涼子も顔を誠也に向ける。