こうべ物語
(そんな事…、私が一番分かってるよ…。)
胸ぐらを勢いよく離された為、涼子の背中は壁に打ち付けられた。
「痛い…。」
「へぇ~。あんたみたいな何の取り柄のない子でも、痛みは感じるんだ。」
背中をさすりながら、涙が零れる涼子を見下ろしながら3人の女子生徒はへらへらと笑う。
「お、お願いですから…、もう…、止めて…、下さい…。」
「止めて欲しいの?」
「…。」
「どうする?」
さっきまで胸ぐらを掴んでいた女子生徒が他の2人に問いかける。
「とりあえず、誠也君に近づいた罰として、ここで土下座でもして貰おうか?」
「それ、賛成!」
小さくうずくまっている涼子の左肩に足を乗せて、強く踏みつける。
「ほら、さっさとここで土下座しろよ。」
「土、下、座!」
「土、下、座!」
涼子は踏みつけられ、押えつけられるままにひざまづくと、そのまま両手をついて頭を下げた。