こうべ物語
「不細工なのに、図々しくてごめんなさいと言え!」
「ほら、言えよ!」
頭の上から浴びせられる罵声。
涼子はその声を聞きながら、小さく呟いた。
「ぶ、不細工なのに…。」
「声が小さいんだよ!」
「不細工なのに。」
左肩に乗せられていた足が、今度は涼子の頭を踏みつける。
「図々しくて…。」
踏みつけられる足の力が一層強くなる。
「ほら、ごめんなさいってサッサと言えよ!」
「ごめん、なさい…。」
言い終わると同時に、3人の女子生徒の笑い声が響き渡った。