こうべ物語
(どうして、こんな目に遭わなければならないの…。)
中心の女子生徒は、頭に乗せていた足を降ろすと、再び両脇の女子生徒に声をかけた。
「後はどうする?」
「そうだなぁ。」
涼子はうずくまりながら、自分を抱きしめるようにしてひたすら震えている。
「も、もう…。」
「え?何?」
「許して…、下さい…。」
「まぁ、今日の所はこれで許してあげるわ。くれぐれも気を付ける様に、ね。身の程知らずの涼子、ちゃん!」
かすれるな声を出す涼子を見下ろしながら罵声を浴びせ、ケラケラと笑いながら去って行った。
涼子は女子生徒達が去った後、ヨロヨロと立ち上がると、汚れた制服そのままに歩き始めた。
(私…。)
翌日、涼子は学校に登校して来なかった。
《涼子×誠也① 終わり》