こうべ物語
「今日はこれまで!」
顧問の一言で、部員達が道具を片付け、着替える為に部室へ戻ってくる。
着替えを終えると、各々帰りの挨拶を済ませ、校門を出て行く。
「勝利、お疲れ様。」
制服に着替え、鞄を肩に下げながら校門までやって来た勝利に、さくらはペットボトルのスポーツドリンクを軽く投げて迎え入れた。
「おお、いつもサンキューな。」
さくらからスポーツドリンクを受け取ると、間髪入れずに飲み干して行く。
500ミリリットルのペットボトルがあっという間に空になった。
「相変わらずの飲みっぷりね。」
「夏はしっかり水分補充をしないとな。」
2人並んで歩き始める。
「ねぇ、勝利。」
「ん?」
「あのさ…。」
「なんだよ、さくららしくないな。」
少し俯き加減のさくらの顔を見つめる。
「高校、どうするの?」
丁度、公園に差し掛かった。
「ちょっと、座ろうか?」