こうべ物語





◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「私…。」



俯きながら涼子が小さく呟く。



「いきなり会った、見ず知らずの人にここまでして貰って…。」



「いいじゃない。困っている人がいたら助け合わなきゃ。」



「でも…、洋服。」



涼子は今、3日間着ていた制服ではなくて、ピンクのTシャツに白の膝下までのスカートを穿いている。


麻里奈が、自分の為に先に購入していた洋服を着ているのだ。


それどころか、涼子のサイズに合った下着まで買ってくれた。



「その洋服は涼子ちゃんにあげるわ。サイズが合って良かったわ。」



満足そうな顔を浮かべる。



「あ、ありがとうございます…。」


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