こうべ物語
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「私…。」
俯きながら涼子が小さく呟く。
「いきなり会った、見ず知らずの人にここまでして貰って…。」
「いいじゃない。困っている人がいたら助け合わなきゃ。」
「でも…、洋服。」
涼子は今、3日間着ていた制服ではなくて、ピンクのTシャツに白の膝下までのスカートを穿いている。
麻里奈が、自分の為に先に購入していた洋服を着ているのだ。
それどころか、涼子のサイズに合った下着まで買ってくれた。
「その洋服は涼子ちゃんにあげるわ。サイズが合って良かったわ。」
満足そうな顔を浮かべる。
「あ、ありがとうございます…。」