こうべ物語
さくらは、何事もないように食事をする麻里奈をさりげなく見つめた。
香水の香りがとても心地いい。
(麻里奈さんって、一体何者なんだろう…。お金持ちなのは間違いないわね。私…、実はとても凄い人に声を掛けちゃったのだろうか…。)
続いて、俯いたまま少しずつ料理を口に運ぶ涼子に視線を移す。
(制服のままで神社でうずくまっているなんて、きっと何か訳があるんだろうな。聞きたいけど、やっぱり聞いちゃいけないだろうな…。)
好奇心が溢れ出し、思わす聞きたくなる。
そう思っていると、涼子が顔を上げて話し始めた。