こうべ物語



「ねぇ、涼子ちゃん。」



さくらに助け舟を出す様に麻里奈が話し始めた。



「人間、誰だって1人では生きて行けないと思うの。」



「はい…。」



「涼子ちゃんに何があったのか分からないけれど、さくらちゃんもきっと涼子ちゃんの事、悪い人じゃないって思ったから助けようと思ったのだし。」



「…。」



「私はそんなさくらちゃんって凄いなって思うし、助けたくなる事が涼子ちゃんの魅力だと思うの。だから、涼子ちゃん、そんなに抱え込まないで。見ている人はちゃんと見ていると思うから。」



「見ている人…。」



涼子の頭に誠也の顔が浮かんだ。



「麻里奈さん…。」



「やっぱり…。」



さくらが割って入ってきた。



「ん?何?」



「麻里奈さんって何者なんですか?」



「だ・か・ら、一般市民だって!」


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