私は確かに愛してしまった
ギシッ。
相変わらずうざったいほど軋むベッドに勢いよく腰掛ける。
メイクを手鏡でチェックしてから乱暴にかごにいれた。


昔、誰かに言われた気がする。


「優愛は雑なんだよ」


なつかしい。



いや…。
なつかしいなんて私には似合わない。



過去なんていらない。
優愛。
なんてもう何年も呼ばれてない。


本名なんて必要ないもんね。
私は詩唄。




夜の蝶。
詩唄。
< 13 / 143 >

この作品をシェア

pagetop