私は確かに愛してしまった

「もう時間ですね」

「そうだな。君と話すのは楽しかったよ、ありがとう」

「こちらこそ楽しかったです」


上着を渡しながら笑う私を彼はふわりと目を細めてみた。



そして愛おしそうに言ったのだ。





「夢里に似ている」
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