私は確かに愛してしまった
「詩唄ちゃん、少し痩せた?」

「本当ですか??」

「うん、少しだけね」



そう言いながら全身を舐めるようにみる下田さんに少し嫌悪感。
仕方ない。
お客様だもの。



「下田さん、もうシャワー浴びられましたか?」

「いやまだだ」

「そうですか、よろしければお背中流しますよ」

「そうしてくれ」



下田さんは上機嫌で私の髪を撫でる。
私も微笑む。
まるで愛し合っているように。

お風呂に入り下田さんの背中を流す。
見慣れた顔。
見慣れた体。


そして慣れてしまったこれから始まる行為。




お客様にとって夢のような…






甘く儚い120分間が始まった。
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