もう一度君に笑ってほしくて
「君もあまり寝てないみたいだね」
「逢沙、目を離すとリストカットしちゃうから…あんまり目離せなくて…。逢沙がこうなったの、俺のせいだから…弟達に迷惑掛けたくないし…」
「君のせい?」
「あぁ、はい。逢沙、かなりの人見知りで小さい頃からずっと俺や弟達と一緒にいたから、学校入っても俺と男友達と一緒にいたせいで、女の子たちからイジメに遭うように
なって…。俺、気付けなかったんです。俺らの前や家では普通に笑ってたし、何も言わなかったから…。だけど、母さんが亡くなってからどんどん感情がなくなっていって気付いたら逢沙の腕、傷だらけだったんです」
「お父さんは?」
「俺と逢沙の親父は母さんが結婚する直前の俺らを身篭った時に蒸発しました。その後で母さんが結婚して1個下の弟の大翔が生まれて、そのもう1個下に双子の将志と悠志が生まれてすぐ、亡くなりました」
既に和翔も泣いていた。
「和翔くん…」
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop