もう一度君に笑ってほしくて
「賀来先生!!すみません!!智音さんが!!ちょっと来てください!!」
そう言ってナースが駆け込んで来た。
「逢沙!!」
逢沙のいる処置室に駆け込むと、水道にもたれる逢沙の姿があった。
荒い息をしながら、泣きながら嘔吐を繰り返していた。
「逢沙、大丈夫だよ。先生来たから。俺が付いてるから、泣かないで。ね?」
「逢沙ちゃん、ゆっくり深く息吸ってねー。はーい吸ってー。ゆっくりゆっくり…」
逢沙は和翔に身体を支えられてようやく立っていられる状態だった。
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