禁止すれすれ!?恋愛
 豪華で静かな雰囲気。

 こんなとこめったに来れないね。


 そんな感じのレストランにいた。

 隣には浩太。

 そしてあたしの指には小さなダイヤがついた銀の指輪。

 向かいの席には一つだけ、空席。

 あたしは指輪を撫でながら言った。


 「……来ないね。」

 「何やってんのかな?
 あいつ……」

 
 浩太が腕時計を見る。


 「やっぱ……今更新しいお母さんなんてイヤかな?」

 「いや、あいつ相当喜んでたからそれはないよ。」

 「でも……あたしが新しいお母さんなんて知ったらどう反応するかな?」

 「……うん……」

 
 不安を抱えて指輪を見ていると、誰かがこっちに向かって来た。

 ウェイターに案内されている。

 
 「こちらでございます。」

 「あ
 ありがとうございます。」


 丁寧な声と、聞いたことのある声。

 ウェイターに案内された男の子は下を向いたままテーブルまで来た。

 
 「遅かったな、裕介。」

 「ゴメン、親父。」


 そう言って浩太の息子、裕介が顔を上げた。


 「………え?」

 
 裕介の視線があたしを捕える。

 
 「え?
 なんで?
 なんで長橋がいんだよ?」

 「えっと…
 彼女……長橋里奈が、俺が今付き合ってる人。
 お前の新しい母親だ。」


 浩太が言いにくそうに言った。


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