アナザー・ワールド
怖い話


ー…ー

「知ってる?夜になったら、職員室から『ない~ない~』って声が聞こえるんだって!」
「え、嘘~」
「マジか、、怖っ」
おいおい、またかよ。
私は怖い話というものを永遠と続ける女子達を横目に本を読んでいた。
大久保詩羽。高校2年生。趣味は本を読むこと。
「あ、詩羽~!」
私の名前が呼ばれ、教室の入り口に目を向ける。
「りっちゃん!何~?」
咲口莉子。通称 ” りっちゃん ” 私の親友。
「昨日の、THE 世界怖いNEWSみた?ヤバかった~」
あんたもかい!
私は苦笑しながら心の中で突っ込む。
「見てない。何々、なんかあったの?」
私が訊くと、
「うん。それがね…、アナザー・ワールドってあるらしいんだ。…で!今回の世界がね、廃墟なんだって!」
あ、うん。このパターンくるやつね。うん、くるくる。

「一緒に挑戦しようよ!」
「私、しないから。」

2人の声がハモる。
ほ~ら!やっぱり…。
「えー!ノリ悪~い!この莉子様からのお誘いなのに断るなんて!」
私を上目遣いで見てくるりっちゃんに、
「なんで私なの。」
と、苦笑しながら訊く。
「ん?友達だから☆」
おー!今、キラーンって光ったぞ、キラーンって。
日光よ、お疲れ様です。
「…って。そうじゃなーい!」
「うわ!?いきなり何!?」
「まあ、親友だけども!でも、他の人でもよくない?」
「やだ。」
即答ですか!
あーもう!
「わかったから!いいよ、してあげる。」
やっぱり、りっちゃんには負けてしまう…。
「え?本当?ありがとーー!」
そういってりっちゃんが、私の手を握りブンブンとふった。
すると、りっちゃんが、
「あ。でも後、4人足りない…。さあて、どうしようかな。」
アナザー・ワールドに行くには6人、人が必要らしい。
「どうするの?」
と、私はりっちゃんを見る。


りっちゃんの目は、ある男子3人に向いていたー…。

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