もう一度、君と笑う時に。
紗稀の隣にいる男が、そう言った。
「…わかりました」
特に否定するわけでもなく、肯定の意を伝える彼女。
月曜日?午後の便?発つ?
聞きなれない言葉が並んで、うまく飲み込めない。
繋げようと思えば繋がる言葉も、わかってしまったら全て壊れてしまいそうで何も考えられなくなる。
そうこう考えているうちに紗稀と謎の男はもう見えなくなっていて、勝が俺の身体を揺すっていた。
「おい、海吾?中谷行っちまったぞ?」
いいのか?と問われているにも関わらず、俺は勝に質問で返した。
「なぁ、便って?発つって?なんだそれ」
「はっ…?」
最初は本当にわからないという表情だった勝も、時間が経つにつれて笑顔が消え去っていた。
「まさかそれって…」