もう一度、君と笑う時に。
✡turning point side:kaigo
______キーンコーンカーンコーン…
「さよーならー」
その言葉を待ってましたとばかりにざわめきだす教室。
「やっと帰れる…」
そう言葉を漏らしたのは俺、秋地海吾(あきじ かいご)、高校3年だ。
北の大地で育ってきたどさんこだ。
今年の夏で部活動を引退した俺らは、受験や就職という現実が叩きつけられている真っ最中だった。
「海吾ー!帰ろう!」
「おわっ!」
そういって俺の背中にタックルしてきたのは、同じクラスの中谷紗稀(なかたに さき)。
去年のクラス替えで意気投合してから、なんとなく一緒に帰るようになり、今では何でも話せる仲になっていた。