もう一度、君と笑う時に。




それからというもの、紗稀の机の周りには休み時間の度に人が集まり、ありがとうだの、寂しいだの、色んな声が聞こえてくる。




俺だって、言いたいことが山ほどある。




なんで言ってくれなかったんだ。



何の相談もなしに行くのか。



もう帰ってこないのか。



俺らが過ごした日々は、何だったんだ。



やりきれない思いでいっぱいになる。




俺の日常から紗稀が消えるなんて、想像したくもないのに明日からはそれが普通になって。



このまま紗稀とは永遠の別れになるかもしれないのに、俺はうじうじとそんな考えしか浮かんでこない。




いいのか、このままで?




紗稀に言いたいこと、伝えたいこと、他にあるんじゃないのか?




自分自身に問いかける。




このままで、いいのか?





_____いいわけない。


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