もう一度、君と笑う時に。
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「紗稀、元気でね!」
「うん。みんなもね、ありがとうほんとに!」
「メールも電話も、いっぱいするからね!」
「私も。愛、いつも一緒にいてくれて、私のわがまま聞いてくれてありがとうね」
空港での、最後の別れ。
ここまで来るのには結構な時間がかかるのにも関わらず、見送りには本当にたくさんの人が来た。
これも、彼女の人柄の良さだろうか。
やっぱり、紗稀を好きになってよかった。
「…海吾」
色々と思い出しているうちに他の人との挨拶が済んだのか、目の前に紗稀が立っていた。
「紗稀…」
数秒、お互い目を合わせたままどちらが喋ることもなく時間が流れる。
「ありがとうね、海吾」
先に口を開いたのは紗稀だった。