もう一度、君と笑う時に。
「なぁ…お前が東京行くのって、やっぱり中谷か…??」
勝が遠慮がちにそう聞いてきたのは、冬に差し掛かる、センター試験勉強真っ只中の頃だった。
「そういえば、勝には何も話してなかったよな」
そう言って俺は、空港でのこと、自分の想い、進学のこと、全てを勝に打ち明けた。
「まぁ、東京行きは無意識のうちに進路希望書にかいてたんだけどな」
なんて冗談ぽく言い終わると、
「そっか…よかった」
心底ほっとしたような表情で勝はそう言った。
「勝…??」
「あぁ、悪い。とにかくお前が目標とか生きがいとか見つけたみたいでよかった」
恥ずかしいこと言わすな、ボケなんて、余計な一言もついてたけど、勝が俺のことをそこまで心配してくれていたなんて、気づきもしなかった。
「勝、ありがとうな」
いい友達に恵まれているんだな、俺は。
「うわー、明日は大雨か!?」
…多分。