もう一度、君と笑う時に。
それから数週間。
「卒業生、入場」
俺達は卒業式を迎えていた。
「海吾〜、おまえ泣いてんじゃないのかぁ〜??」
「泣いてねぇよ!」
「そうだよな、ようやく中谷に会いにいけるんだもんな」
良かったなと言って笑顔とピースを見せるのは、親友の勝。
勝はあの後、滑り止めに用意していた大学に見事合格し、進学が決まった。
「勝…ありがとな」
なんだか振り返ってみると色んな思いが高まってきて、ついそんな言葉を口に出してしまう。
「海吾…おまえ、熱でもあるのか??」
新手の流行病か?!なんてふざける彼には大して伝わらないのかもしれないけど。
「いや、何でもないわー」
そう言ってはぐらかす俺も、なかなか頑固なやつなのかもしれない。