もう一度、君と笑う時に。
後ろに立っていたのは俺の家族。
「海吾、元気でな」
父さんに
「身体に気をつけて、水道の水は飲んじゃダメよ」
母さん
「お兄ちゃん、まな、寂しいよぉ…」
妹の愛美(まなみ)。
こんなに暖かい家族に見送られて、俺は今から紗稀の元へ飛び立つんだ。
なんて幸せ者なんだろう。
「父さん、母さん、まな、見送りありがとう」
ここから、また一歩踏み出すんだ。
「行ってくるよ」
そう告げて、俺は家族の声を背に振り向くことなく歩き出した。