もう一度、君と笑う時に。
✡ordinary days side:kaigo
「秋地、これ頼む」
「わかりました」
東京に来て6年。
俺は無事大学を卒業し、そこそこの企業に就職していた。
もともと頭が悪くはなかったので、要領を掴んでからは仕事も楽に進めることができていた。
彼女も、そこそこ人並みにはできた。
ただ、そう長くは続かなかった。
いつもフラれるのは俺の方。
別れた彼女たちが吐く言葉も、いつも同じ。
「海吾は私を見てない」
「私と誰かを重ねてる」
そんなつもりはないと否定しても、彼女たちからすればもう我慢の限界らしい。
「さよなら」
そう言われて終わるのが当たり前になっていた。