もう一度、君と笑う時に。
翌週、初めての顔合わせということで、俺は金山財閥の直轄会社、金山コーポレーションに来ていた。
ドアをくぐり、受付に向かう。
「今日はどういったご用件でしょうか?」
「あ、はい、今日は…」
ふっと顔をあげて、俺は目を見開いた。
目の前の彼女も、驚いた様子でこちらを見ている。
あの頃よりも伸びた黒いロングヘアー。
化粧をして少し大人びた顔。
カラカラに乾いた喉から何とか声を絞りだす。
「紗稀…??」