もう一度、君と笑う時に。

「おまっ…その目どうしたんだよ！？」



誰かにやられたのか？と問い詰めても、首を横に振るばかり。



「なんでも、ないの…」



普段の彼女からは想像もつかないようなか弱い声でそう呟く。




「何でもないってことねぇだろ？」




それでも頑なに首を振る彼女に、結局俺が折れることになった。





「わかった、もう言わなくていいから、無理だけはすんなよ」






「ありがとう、海吾…」





あぁ、俺はその微笑みに弱いんだって。



こいつ、わかっててやってるのか？




…んなわけないか。




心の中の自分を笑いながら、俺は言葉を続けた。





「よし、今日の放課後に俺が、何でも好きなものお前にやるよ」