もう一度、君と笑う時に。



その瞬間、パァッと明るくなっていく紗稀の顔。




まるで、こうなることが目的だったみたいだ。



まぁ、そんな計算高い女じゃないことぐらい、俺が一番良く知っているんだけど。




「♪〜♪」




機嫌よく鼻歌なんか歌っちゃって。




キーンコーンカーンコーン…



「おらー、席つけよー」



そんな担任の声で俺は席に戻った。



俺の後ろ姿を見て、また涙ぐむ紗稀などには気づくはずもないまま。



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