沖田総司と運命の駄犬
なんで、こんな事に?
沖田先輩の部屋に入る。
沖田「そこに座って?」
梓「はい・・・。」
沖田「今度、出て行ったら粛清って、言ったよね?」
確かに、前、言ってた。
梓「はい・・・。」
沖田先輩は、スラリと、刀を抜いて、私の首に、這わせた。
嘘・・・。
私、斬られるの?
沖田「質問に答えて?」
梓「はい・・・。」
沖田「土方さんとは、どういう関係?」
土方さん?
何で?
梓「別に、何も、無いです。」
沖田「じゃあ、なんで、今朝、布団で、抱き合って寝てたの?」
梓「それは・・・。昨日、誰も、居なくて・・・土方さんが、お菓子くれるって言うから、一緒に、食べていたんです。」
沖田「はぁ・・・。」
沖田先輩は、溜め息をついて、私を睨む。
沖田「土方さんは、甘いもの嫌いだし。それに、餌を貰ったら、夜に、男の部屋に行くわけ?どんだけ、バカなんだよ。だから、襲われるんでしょ!」
ムカムカしてきた。
なんで、そこまで、沖田先輩に言われなきゃいけないの?
確かに、襲われたけど!助けて貰ったけど!
沖田先輩だって島原に行ってたくせに・・・。
私は、いつの間にかジトッと見ていたらしい。
沖田「何?」
梓「何でもないです!」
沖田「嘘!言いたいことが、あるなら、言いなよ!」
私は、沖田先輩に向かい合い、佇まいを正した。
梓「じゃ、じゃあ言わせて貰います!沖田先輩だって、島原に行って、女の子、買って一晩、過ごしたじゃないですか!それに、土方さんは、そんな事、しませんっ!」
沖田「何それ?ぷっ!アハハハハ!本当にバカなんだね!土方さんを、仏か何かと思ってるわけ?あの人は、おなご好きで手が早い。僕達の中では・・・いや、この界隈じゃ有名な話だよ?それに、僕が、おなごを買ったからって、梓に、関係ないし!前から、思ってたんだけどさぁ、梓って、僕に、惚れてるの?」
梓「はぁ!?惚れてる?何でそうなるんですか!」
沖田「だって、それって、どう聞いても、やきもちだよね?」
やきもち?私が、沖田先輩に?
梓「違いますっっ!」
沖田「ふーん。じゃあ、土方さんを好いてるの?」
梓「土方さんは、好きですけど、そういう・・キャッ。」
沖田先輩は、私を、押し倒して、首に、刀を付けられた。
沖田「その口で・・・っ。その口で、土方さんを・・他の男を、好いてるとか言うなっ!」
梓「え・・・?」
沖田「何でだよっ!何で・・・僕が、こんな・・・っ。」
梓「沖田先輩・・・?」
ゆっくりと、刀がどけられて、唇が、重ねられた。
梓「っ!」
唇が、少し、離れると、また、唇が、重ねられ、何度も、何度も、キスを交わす。
沖田「・・・っ。」
梓「沖田・・先輩・・・っ。」
沖田「あ・・・。」
沖田先輩は、私から、バッと、離れて、部屋を出ていった。