沖田総司と運命の駄犬
僕は、それから、夜は、自室には帰らなかった。
しばらくして、長州が、攻めてくるとの事で、警備に当たる事になった。
留守番の山南さんの所へ行く。
沖田「山南さん!ちょっとお願いが・・・。」
山南「何だい?」
最近、元気のない山南さんにお願いするのは、心苦しいが、仕方ない。
沖田「梓の事を、お願いしたくて・・・。」
山南「あぁ・・・。良いよ。こんなのでも、梓ぐらいは、守れるから・・・。安心して。」
そう言うと、山南さんは、ずっと前に、怪我をした手をさすりながら言った。
沖田「そんな心配してませんよ?梓が、粗相をしたら、すみませんって事です。」
山南「ははっ。そっか。最近、一緒に居るところを見ないけど、喧嘩でもしたのかい?」
山南さん、鋭いな・・・。
沖田「え、えぇ。まぁ・・・。」
僕が、言葉を濁すと、山南さんが、優しく言った。
山南「まぁ、早く仲直りしなよ?じゃないと、恋敵に、取られるよ?」
沖田「え・・・?それって、どういう・・・?」
「沖田組長・・・。よろしいでしょうか?」
隊士が、呼びに来た。
沖田「あ・・・。」
山南「行ってらっしゃい。」
沖田「はい。」
僕は、山南さんの部屋を離れた。